令和4年度 茨城県看護研究学会 質問について回答をアップしました

令和4年度 茨城県看護研究学会において下記の質問がありました。

【シンポジウム】

Q.

特定行為研修に、修了後のフォローアップ(院内実施の承認システム等)体制のないまま受講する事があります。そのようなシステムを構築するための情報は、どこから得られますか。また体制づくりの留意点があれば教えてください。

A.

千葉先生

情報については鈴木先生が回答していただいているので、それをご参照ください。留意点としては、医療行為としてリスクがあるものですので、まずは医師のラウンドに同行するなどして 出来そうなものから医師の直接指示、監視下で実施し、医師や看護部のか他職種の理解を得るのが良いのではないかと思います。

川口先生

鈴木先生が詳しく回答されていますので、現場の意見として回答いたします。厚労省のQ&Aに「手順書で特定行為を 実施させるかは現場で判断する」という内容の記載があります。 狭義に考えると「ベッドサイドで」と読み取れます、広義に考えると「施設で」とも読み取れます。修了後のフォロー アップ体制と考えると、「施設で」と解釈することになると思います。 研修終了後に手順書で特定行為を実施する能力があるか否かの確認、研修機関が実施しているフォローアップ研修に 参加できているか、そして一定期間を過ぎたら知識や技術を確認する体制が必要になると思われます。 筑波大の場合、手順書で特定行為を実施する看護師は、研修終了後にトレーニングを実施し区分指導医の評価を受け、 その評価について委員会で承認を受けること。活動のまとめを年度末に提出し実績評価を受けること。 5年毎に更新申請と審査を義務付けています。

鈴木先生

院内のルール作りは必須です。管理する委員会等を受講中に(修了までに)立ち上げ、整備されることをお勧めします。 当方では修了後の1年を臨床研修と位置づけ、その間に医師の指導を受け活動しながら(動いてみての意見も入れて)、上記構築を完成させます。 プレゼンの中で紹介させていただいた「アクションリスト」をご参照いただければ幸いです。 他にも、ご活用いただける資料があると思います。 厚生労働科学研究費の成果概要⇒厚生労働科学研究成果データベース⇒研究成果を検索する⇒検索語に「特定行為研修 活用ガイド」を入力⇒検索 留意点は、会議体のメンバーに、施設管理者、指導責任医、看護部長、各部門責任者、医療安全管理者をいれ、院内組織全体で取り組む体制にすることだと思います。

筑井先生

まずは院内の管理者、看護部長をはじめとし、各部署のTopの方々、自分が所属する部署の師長(病院勤務の方?)をメンバーとした委員会を研修が始まる前から立ち上げられることが大切です。そこで院内のNeedを確認し、そこに協力してくださる指導医の先生方を決めメンバーに入って頂くと良いと思います。病院であれば各病棟へのプレゼンも必要です。これは早すぎてもよく理解できないので、実際に自分が研修を行なっている最中、もしくは修了し活動する前に行うことをお勧めします。プレゼンは薬剤部や検査科、リハビリ科、栄養科、臨床工学士の方々など、もし特定行為で関わるようでしたら他部門にも説明が必要です。大切なのは特定行為実践者が自らプレゼンし(看護部長や院長に任せるのではなく)、自分で顔を売り覚えてもらうことが大切です。患者さんへの説明は院内ポスターなどを使用されると良いと思います。(厚労省の特定行為実践看護師の案内に記載されています)

是非、頑張ってください!

【一般演題】

第1群 2題 Q.

どのような看護を行えば個別性に特化できるのですか?

第1群 2題 A.

個別性のある看護を行うためには、まず始めに患者を知る必要があると思います。
私たちは今回、COVID-19に罹患した患者の心情を知りたいと思い研究を行いました。
そして、状態や時期を考慮した上でコミュニケーションを図って話を伺うことにより、
様々な生活背景のある患者の様々な心情を知ることができました。
そのため、この研究で明らかになったことを日々の看護に反映させていくことにより、
個別性のある看護に繋がるのではないかと考えます。